サカナクション山口一郎のオールナイトニッポン セックリストの衝撃

 

「セックリスト」

聞きなれない言葉である。サカナクション山口一郎は説明する。女性を部屋に招き入れたとき、リスナーが何の音楽をかけどう雰囲気を演出するかを知りたいと。サカナクション山口一郎のオールナイトニッポン2019.10.17の放送である。

 


音楽とは空気。甘い空気が流れれば自然と人は体を寄せ合う筈であると。まるで高尚な研究のように、勝負の3曲が発表されていく。詳細はこうだ。

 

まず玄関に入ったときに流れているジャブの一曲。徐々に体を寄せ合うきっかけの一曲。そしてサッカーボールがゴールネットを揺らすかのように華麗にフィニッシュするときの一曲である。

 


リスナーからのお便りが紹介されていく。

メローなロックを選ぶもの、甘く響く洋楽を紹介するもの、ネタに走るもの。雰囲気の演出には個性が出る。それは行為に対してどんな認識をするのかの違いであろう。あるものはスイーツのような甘さを、またあるものはスポーツのような高揚感を、照れて思わず笑ってしまう状況を望むものさえいる。


山口一郎は叫ぶ。

Suchmosばっかりじゃねえかよ!

 

File004_街コンの美魔女

 

ID 生保

 35歳

 Cカップ

 東海

 

街コン

 

話は聞いたことあるけど行ったことはない

そんな街コン童貞を捨てるため、おれは表参道に向かった。

 

3対3で男がテーブルを回っていく。

男はSEの優しそうな人が多かった。

 

最初のテーブルに美魔女はいた。

ブリーチではないギリギリの明るさの茶髪。多めのマツエク、体のラインに沿った黒のニットにスキニージーンズ。海沿いの匂いがした。

 

お互いさぐりさぐりで話は進む。

 

「海外旅行好きなんですねー。いいですねスペイン。この前じぶんボストン行きましたよー。」

 

大嘘だ。

しかし海外話には食いついてくる。

 

盛り上がりかけたところでタイムアップ。

残りの3セットもなんとなく話して、適度にボケながらこなしていた。

 

街コンてこんなもんかあと上着を着て帰ろうとすると、主催者のお兄さんから声をかけられる

 

「こちらの方が連絡先を交換したいようで…」

 

美魔女ふたたび。

 

LINE交換ののち解散。

後日、スペインといえば美味しいパエリア屋さんありますよと表参道でアポる。

 

間接照明多めの落ち着いた店内。

今日も服は黒だが、この前より心なしか化粧が濃い。鎖骨のあたりが少し透けるレース地のトップス。ヒールはそこそこ高い。

 

店の本店も出身地と一緒だという話から、家族の話になり、姪っ子の話をされる。

 

まずい。結婚に関する話題に触れていくのはナンセンス。あくまで今日を楽しむコースで行かないと。

 

 

軌道修正もできないまま、その日は終了。

しかし、年上にチャレンジしたい気持ちを抑えられず、後日デートアポ。

あくまで少し上からLINEでむりやりむこうの家に泊まることを約束させる。もちろん絶対にセックスはしないという取り決めで。(かなり真面目に恋話LINEを1週間続けた)

 

当日、

上野で大道芸や美術館を見たあと、家にイン。

オートロックマンション最上階。少し広めのワンルーム

 

勝負はここから。

 

 

異変は1時間後に訪れた。

彼女の咳が止まらない。体温計は39.3分。

 

つらいつらいと連呼する彼女。

救急病院に電話するおれ。

 

彼女をおぶってタクシーにぶちこみ、病院に到着。

 

 

インフルエンザA型、陽性。

 

 

おいおい。

ワンナイトチャレンジの代償デカすぎるだろww

 

 

次の日

とにかく何も食べれない彼女のためにゼリーやらなんやらをむりやり食わせ、薬を飲ませる。

 

 

帰ろうとすると、手を掴まれた。

 

「いかないで。もうちょっといて。」

 

横に沿って寝ると

 

「あんまり近づくとうつるよ。あとしたくなっちゃう。えっち大好きだもん」

 

「べつにうつってもいいよ」

 

ウイルス満点の唇を寄せてきた。手も乳首あたりを弄ってくる。

 

 

こうなったらもうおれを止めるものは何もない。

 

 

ダメダメゴーである。

(youtuberえびすじゃっぷ 、えびすじゃっぷとchillより引用。いっていい?だめ。いっていい?だめ。あーいく。いーよ。的な)

 

 

ウイルスは確実におれの体にいる。

 

咳止まるといいね。

と頬にキスをして家を後にした。

相手に熱があるときの行為はとてもいい。

罪悪感が興奮に変わる。

 

 

 

File003_ファーコートの嘘つき女とレディボーイ

今回は登場人物が2人

 

神戸出身

金融

26歳

ロングヘア

推定A-Cカップ

 

タイ出身

レディボーイ

シリコンパイ

 

金曜の夜

暦通りの休みの人間ならこんなに嬉しい日はない

 

前日会う前に一度電話しようと言っていたのに、寝ぶっちされたため、ドタキャン案件として諦めかけていた。

 

しかし、待ち合わせの時間近くなると「今日予約しないと入れなくない??」とノリ気である。

 

 

急いで道玄坂ホテル近くの店を予約。

 

待ち合わせは渋谷のTSUTAYA

彼女は襟と袖にファーのついたベージュのコートで現れた。中には縦線の入った黒ニット。化粧は濃い目で、しっかり髪は巻いてある。

 

店に入ると、下戸だと告げられウーロン茶で乾杯。

 

かなりお高くとまっている。

神戸出身だからか、大阪とはまたちがう独特の関西弁。

 

こうなりゃ、沈黙ゼロのサービストークモード。

かわいい、きれいを混ぜ込みながら、笑いをとりに行く。

 

遠距離で重くなってフった

追いかけられたい

イケメンの前だとまじでなんにもしゃべんないのお

(お前見た目べつに宣言)

 

こいつはなかなかやばい。

じぶんのこと以外はどうでもいい感MAXのやつ。

女性であること、そこそこ整った容姿、20代であることを理解した上で、自分にとってのメリットを最大化するべき行動を100%選択する女。

スキがねぇ

 

「あたしパパに赤羽橋にマンションかりてもらって住んでんだよね」

 

はい??

 

突然のパパ活してますよ宣言

相手は50代IT社長だと。

 

「あんまり体も求めてこないし、東京まじ楽しい」

 

NGないからと

20分ぐらい質問して、パパ活の実態を聞いていた。

 

しかし、急に

 

「今までのやつ全部嘘だから」

 

と笑い始める。

 

はあ?

 

じゃあおれ、今まで何聞かされてたの?

 

顔がひきつりそうなのを抑えながら、会計を済ませた。

 

2時間半後、店を出てちょっとお散歩しようとホテル街をうろつく。おれ末端冷え症なんだよねという口実で手を繋ぎ、打診。

 

玉砕。

 

全くアルコールが入っていないからか、もはや目もみてくれない。

 

パパ活できるほど、可愛くないと思った。

おれは騙されたけど。

 

と謎のセリフを吐き、解散。

一番かっこ悪い。気がする。

 

くぅぅぅぅ。泣

 

まんまとアホみたいな嘘を信じたことが悔しい。

店でて5分でなしになったわと言われたことも悔しい。

何より、やった女国取り合戦で兵庫を塗りつぶせなかったのが悔しい。

 

 

このまま帰るのは惜しい。おれは迷わずtinderを起動

 

 

無作為の右スワイプ

菩薩もびっくりの無表情スワイプ

 

マッチ。

画面にはLISAと表示されている。

 

レディボーイ

タイかフィリピンだろう。

customerを探しているとのこと。

10000¥

悔しさをぶつけ、お尻の穴を勉強するには出せない金額ではない。

 

カタコトの英語で約束を取り付ける

今日ではなく明日に試合は持ち越しだ

 

赤坂のビジネスホテルの部屋をノックすると

そこはシングルルーム

香水の匂いが充満している。

 

レディボーイ、あそこはしっかりついている

サイズもおれと同じぐらい。

 

見た目は整形でかなり女性になっている

乳首を勢いよく舐められ、激しく手で弄られる

 

勃ったり萎えたり繰り返しながらやっと挿入。

実はレディボーイは初めての経験。

 

やっぱりアナルは強烈な刺激。

すぐに出すと、シャワーを浴びた。

 

enjoy japan.

 

と謎の台詞をはきホテルをでた。

赤坂のビル風は今日も冷たい。

 

 

 

File002_人見知りアイコスとブリーチ

仮名ドナルド(25)


ID  千葉

      Eカップ

      元美容師

      

「私めっちゃ人見知りでー、申し訳ないとおもっちゃうから、誘われると断れないんですよねえ」

 


きたああああ

電車男並みに歓びを叫んだのちおれは急遽錦糸町でアポをとりつけた。

 


「金夜ですよね?あたしお店並べない」

 


居酒屋を予約。ついでにラブホを予約。

 


「ホテル難民だるいから、予約したわ!アイロンこの種類でいい?」

 


とスクショを送ってもありがたいーと好感触。これは勝ち確。リゼロの6くらい。

 


ぽっちゃりよりも少し太め。黒のダウンにプラダの黒バック。マイケルコーズの金時計。

髪はブリーチで少し痛んだ金髪。

 


「髪友達に切ってもらってるんですけど、まぢで陰毛」

 


まぢぃ

LINEの会話の「まじ」は全部「まぢ」だった。直接の会話でも脳内変換される。

 


ソファで彼女のアイコスを借りて吸う。

軽く太ももに触れながら顔を近づけてみる。

 


「やだあ、恥ずかしい。むり。」

と言うものの息は荒い。

 


半ば強引にキスをすると、ドナルドのやる気スイッチに火がついたようだ。かなり強めに唇を吸ってくる。しかも上になってきた。

 


風呂をためたままにしていたので、そろそろ見にいくかと立ち上がろうとすると、強めに抱きしめてくる。like だいしゅきほーるど

「行かないでえちゅーして」

 

 

 

居酒屋での一コマがフラッシュバックする。

 


「あたし人見知りすぎて、専門で友達7ヶ月できなかった。喋らないから後輩にはめっちゃ怖がられるし。でもね、仲良くなったらめっちゃ甘えるし、声でかくなるの」

 

ああ

たしかにあえぎ声がでかい。

こっちが心配になるくらい。

人見知りの反動だろうか。

 


2回戦、キスで口がとれそうだ。

 

 

 

ウォルトディズニーは人種差別主義者。アイコスを吸いながら彼女はそんな話をしていた。月一で年パスを買わない理由は義務感が生まれて楽しめなくなるから。すきなプリンセスはベル。iPhoneケースはスティッチ。

 

 

 

翌朝、ホテルを出たのは8時45分。

雨がパラパラと降っていた。

 


間違いなく今季一番の寒さだろう。

 


少しきまずそうにするその横顔を見ながら、ホテルのライターにデカデカと書いてある「錦糸町」という文字を見せながら視線をもらう。

 


昨日口がとれそうなくらいキスされたこと。

それは思ったことを目を見ながら素直に言うことができない彼女なりのメッセージだったのかもしれない。生理中だから溜まってただけ、酔うとキス魔になるだけなのかもしれないが。

 


本当のことはわからない。

 

 

 

つけすぎているジミーチュウの香水は強烈に昨日の夜を思い出させる香りだった。

 

 

to be continued...

File001_NBOXカスタムで迎えに来たマイルドヤンキー

仮名 ピーマン(23)

ID  静岡県

   Fカップ

   高卒・電気系

   「ら?」という方言がかわいい
使用サイト タップル誕生

 
11下旬午後1時、3日前にタップルからLINEに移行完了したピーマン(以下P)から連絡が入る。

 

次の週の平日に会う約束をしていた。お互い土日休みなのでOMKは厳しそうな予感がしており、悩みどころだった。

 

しかし、LINEの感触で下ネタはオールオッケーで会った即Pの予感さえさせる優良物件。これは逃せないと鼻息を荒くしていた。

 
僥倖は突然やってくる。

P「ねー最悪なんだけど、土日予定ドタキャンされたんだけどお。おひるたべよー」

 
これはまるで設定あきらめて打っているときにリプ3で突如訪れるGSTOP。(パチスロミリオンゴット神々の凱旋より)

 


電車に飛び乗り向かった集合の川崎駅には白のNBOXカスタム、中からは大音量のJPOP。

 


P「おそいよー。もうおなかすいてるのかわかんなくなっちゃったよー。ファミレスか回転ずしか焼肉がちかいから選んで」

 


白の軽はまるで僕たちを運ぶラブワゴン。ピロティ方式(一階が駐車場)はさながら田舎の国道沿い。どう見てもパコってからおそめの昼食をかっくらいにきたマイルドヤンキーカップルである。

 


P「あたし焼肉食べ放題以外食べたことないんだよね。あーマックの三角チョコパイ食べたい」

 


食欲旺盛、ぱっと見ブリーチな茶髪、海沿い出身。これはYRM案件。

 


好きなタイプ、今までの恋愛遍歴、SかMかなど異性としてガン見してますよ感を演出。

あくまでほめほめオラオラ押しの戦術。白秋ダイナソーズばりのノースサウスゲームでフィニッシュだとニヤつくおれ。(アイシールド21

 

LINEのトップ画と会話から卍系を予想していたおれはジェルで髪を固め、ごつめのコーデで挑んでいた。

 


「計画通り」

 


ヘリのなかの夜神月ばりにほくそ笑む俺に、予想外の一言が(DEATH NOTEより)

 


P「あたし初対面の人とは酒飲まないと絶対やれないのお。めっちゃ恥ずかしくてえ。」

 


彼女の買い物に付き合い、デパートへ向かう車の中でおれは震えていた。

 


イーロンマスクもびっくりの脳内の高速コンピュータではじき出された答え

 


それは

 

「今日は一人の女を選ぶことが必須、ヘタしたら両者ともノーゲーム」

 


「なにいいい。ノイズ だとおおお。」(ぱちんこ戦姫絶唱シンフォギアより)

 


説明しよう。

前日タップル→LINEを済ませた女.

仮名ドナルド(後日書きます)と3時間電話し、急遽今日の夜に会うことになっていたのだ。時間は向こうの連絡次第だが、22時を超える模様。しかも次の日は休みときた。

 


D「あたし友達に彼氏作れっていわれるけど、できなくて。やっぱ断れない性格のせいかなあ。4日前にも初めて会った男としちゃった。」

 


σ(゚∀゚ )オレ「じゃあホテル前集合ね」と冗談で言えるくらいの楽勝案件。しかも巨乳。

 


これをリスケするのは惜しい。

どんなやつでも、ドタキャンで逆鱗に触れる女じゃないと100%はいいきれない。

 


現実的に考えて、宿泊は20時から。

それまで時間をつぶし、酒を買ってホテル入り。これでピーマンはOK。

岐路に立たされたおれは

目の前のギャルに集中するんだ。

そう自分に言い聞かせた。

 


ドナルドの「急だったし仕方ないか」という許容量にオールイン。

保険をかけ、リスケ後日でも可能性を減らさない断り方を探す。

 


仮病一択である。

 


「パンイチで寝たら風邪ひいた。」

前日遅くまで電話につきあわせちゃったし、心配。

だけどこんな寒いのにパンイチって何?wという

ウケ&心配の完璧武装した最強の一言を送信した。


ドナルドの話はこのくらいにしておこう。

 

 

ピーマンのデパート立体駐車場グダは30分ほど続いた。

車の中でのキスも

ひとが見てるから恥ずかしくて無理。と断られる。

「いいじゃん。もうこの人たちと会うこと一生ないよ!」と半ば必死なおれ。

 


「はずい。むり。かおあつい。」

 


結局キスはできずに

時間までみなとみらいの夜景を見に行くことに。

 


ホテル入り。

 


Mというのはまちがいなく、首をしめるとかなり喜んでいた。

 

友達からましゅパイ

と呼ばれるほどの柔らかさ。

2回堪能。

 


今回の教訓

 やっぱ生は最高。

 違った。

 


『目の前の女に全力で。』

画面の中の美人よりも目の前のブスを抱こう

 

 

to be continued…

 

優しい人がタイプかなあ

今バスを待っている

千葉のことをおれは全然知らない。

市川と市原を間違えて待ち合わせが1時間遅れるぐらいわからない。

 

優しいとは一体なんなんだろう。

 

好きなタイプは優しい人と答える女性は多い。

 

女性の言う優しいとはお姫様扱いしてくれる人だと言うことだろうか。

 

車道側を歩いてくれたり、重い荷物を持ってくれたり、トイレに行っている間にお会計を済ませたり、ゴムをちゃんとつけたり。

 

男性の言う優しいとはなんでも許してくれるということだろうか。

 

浮気しても許してくれたり、食事代をだしてくれたり、自分がイったらタバコを吸いにいくのを許してくれたり、イった演技をしてくれたり、洗濯を上手にしてくれたり。

 

男サイテーだな。

おれが最低なだけか。

 

大体男そうなんじゃないかなあ。

 

優しいって難しい。

 

男の場合、

甘やかすのが優しいってことなら、やりすぎるとだんだんそれに慣れて離れていってしまう。

 

本当のことを言うのが優しいってことなら、甘やかしてくれる女の方に行ってしまう。

 

適度な嘘とプライドを傷つけない程度の本当、それを上手く使いこなせれば男は惚れるのかもしれない。

 

車道側を歩くのとほんととうそを使いこなすこと。どっちが難しいだろうか。

 

 

 

 

蝉が鳴く

 

5年付き合った彼女にフラれてから1週間

 

出会い系狂いと化している。

 

しかしいろんな人がいるもんだ

 

アニメ会社で働いてから営業に転職して人の輪を広げることに人生の真髄を感じている26歳

 

板前を目指して男だらけの環境で修行する、元彼がDV男だった22歳

 

 

元来自分は人に会うのがそんなに好きではない。小学生のころから人と遊ぶとその後の1人の時間が幸せでたまらなかった。

 

なんてことないスーパーのチラシを眺めて、虫と川の音しか聞こえない片田舎でぼんやり過ぎる1日が好きだった。

 

教育ママな母親とスポーツエリートの旨味を知り尽くした父親のもとではまるで人生には正解があってそれに近づくことこそ人生の真髄だと教えられた気がする。

 

だからこそ頑張ることの合間にサボることが幸せだ感じるひねた感覚を持つようになった。

 

大学の後輩には先輩小悪党ですよねと言われた。それってどうなのよ。そしてそんな自分を変える勇気も変わる気もしない。

 

破滅に進む勇気もなければガツガツのぼりつめようという野心もない。

 

残るものはきっとタバコの煙のようないつのまにか消えてしまうものだろう。

 

ゆとり世代だからなのか。

それとも厳しくも愛をうけて育った家庭のなかで培われた言いようのない自信、自尊心からか。

 

まだまだ自分のことはわかりそうにもない。

 

今年の夏はぼんやりするくらい暑い。

思い出すのは蝉の声、川の音、汗を手でぬぐいながら縁側でもう溶けきったパピコをすすっているいつかの少年だ。もうそろそろ捨てなよ。もう中身ないよ。それ。