僕のワンダフルライフ

新宿ピカデリーにて鑑賞。

 

一緒に見る人の乗っていた電車が止まり、上映5分後に入場。

 

犬主観で物語が進む。

 

最初の飼い主の少年に会うために何度も生まれ変わって会いに行くというストーリー。

 

生まれ変わるたびに、犬種性別が変わり犬好きには楽しめる映画。

 

スクリーンに大きく映し出されるわんこ。なんかストーリーの荒さとかは気にならないぐらいにはかわいい。

 

泣きそうになる場面は何度かあったものの、泣かずに終了。

 

犬を実際に飼ったことがある人でなおかつ別れの苦しみを体感したことがある人は高確率で泣くでしょう。

 

泣くと冷静に見れなくなるから泣かないようにと耐えたら泣かずに最後まで見れました。

 

昔飼っていたミネチュアシュナウザーのオス、ネロを思い出した。ネロはドイツ語で黒という意味があり、子犬の時真っ黒だったことにちなんでつけられた。

 

ネロってフランダースの犬の犬でしょ!

って言われるけどそれはパトラッシュで少年の方がネロって説明たぶん50回はしたと思う。

 

 

ネロとは0歳から17歳ぐらいまで一緒に育った。小さい頃は自分は悪ガキで、毛をハサミで刈りまくったり、クレヨンで落書きしたり、背中に乗ったりして嫌がられて噛まれたりしていた。

 

家の中では1番慕ってくれていたようで妹には敵意をむき出しにして吠えるのに、自分には異常に腹を見せるやつだった。小さい頃からビビリな犬で猫には驚いて逃げるわ、雷には飛び上がるわでよく笑っていた。

 

高校生になったある日、老いたネロを見ているとものすごい勢いで庭の草を食べはじめた。

 

まさかその歳で野菜ダイエットか、とツッコミを入れながら「やめなよ草食べんの」と思いながらじっーと見つめると、普段ご飯タイムを邪魔した時にやる、グルルルゥと唸るやつで威嚇してきた。すぐに草には飽きたのか、食べなくなった。にわかベジタリアン犬。

 

3日間謎の家出をすることもあった。庭から消えて迷い犬のポスターを作るか話し合っていたら、普通に裏庭で寝ていた。おいっ。出掛けるならなんか言えよな!トラベラー犬。

 

散歩に行ったら歩くのが遅くなっていた。昔は自分より早く走ってリードが引きちぎれるぐらい引っ張ったのに。

 

顔のヒゲも白くなって仙人みたいな様子に。仙犬か。

 

よく親に隠れて裏庭でタバコを吸っていた時に、寄ってきた。静かにしろよ隠れてんだからと言いながらタバコに火をつけた。

 

「わかってるよ。いけないことなんだろ。」そんな風にこっちを見ながら、あいつは寝そべっていた気がする。

 

ベランダからは星がよく見えた。煙を吐き出しながら、ふとネロを見ると静かに眠っていた。

 

それからすぐにネロは深い眠りについた。5年以上前だが、寝てるあいつがいない実家の裏庭は少し物寂しい。

 

もう隠れてタバコ吸う必要もなくなった。周りにも家が増えて、家の周りもだいぶ変わってしまった。

 

裏庭には牛乳でヒゲがびちゃびちゃになったネロがまだいるような感覚がある。ひとり椅子に腰掛けて、煙を吐き出すと次の瞬間あいつは自分の横でぐーぐー寝ている。そんな風に感じる夜がある。

 

そして、そんな日はたいてい星が美しい。