ダイヤモンドインパラダイス
なぜ追い出された?
デッキで一緒に夕日を見なかったからだ
おまえみたいなやつは年老いたときに莫大な財産と大きな後悔を抱えて死ぬんだ
俺にはわかるよ
世の中には一日の終わりに夕陽を見て楽しめる人間とそうじゃない人間がいる
おまえはそうじゃない方
それはきみもおなじだろ
ダイヤモンドインパラダイス
スリービルボード
「ふざけんな!自分で買えよ!」
これは私が中学生の時ポテトを勝手に食べたNくんに言った言葉です。相当腹が減っていた私は急にアングリーメーターが振り切れたのです。自分で驚きました。MAXになった後は元の状態に戻るのは難しい。涙を流した後と同じで冷静とは程遠い。
ポテトを勝手に食べられただけで人間って怒ります。少なくともあの頃の私は。
では娘を失った怒りはどうでしょうか。同性愛者だと馬鹿にされた怒りはどうでしょうか。肌の色の違いで同じ人間と見られない怒りはどうでしょうか。とばっちりの復讐で大怪我を負った怒りは。
怒りが絶えないこの世の中で人を許すことってどういうことなんでしょうか。
劇場でスリービルボードを観ました。
フィクションです。圧倒的なフィクション。
どこらへんが圧倒的かというと人間の行動に必ず理由がさりげなく置いてある。説明一辺倒になるわけでもなく、アート映画のように説明されないわけでもなく。
何でその行動をとるのか。それがちゃんとわかる。わざとらしくなく。
行動に理由があってそれが説明できる。それならば先が見えそう。
しかし読めない。
自分が完璧に把握してきた道なのに、気がつくと思ったより奥にきている。
フィクションにはよく話を進めるために余計なことをするやつが出てくる。コイツに冷めてしまうことは少なくない。大抵の作品はコイツをその後ポイ捨てにするか、理由をつけて黙らせる。ストーリーを先に進めるためだけに出てくる。
人が作品の中で重層的に内面を見せる。まるで映画の中で人が生きているみたいに。極端なキャラクターを先に見せることによって、展開ごとに同じ人間の違う部分をあぶり出していく。
なんとも奇妙でそれでいて面白い。笑ってしまう。恐怖と笑い。その綱渡り。
人間のおかしみとか、どうしようもなさ。復讐の殴り合いの果てにもうダメかと考える。
でも人間捨てたもんじゃないよね。
最後はそう思わせてくれます。
足の先は濡れて
2018年になりました。
あっという間に1月も過ぎ、雪が降ったり降らなかったりしています。
雪が降ると思い出す光景があります。
アスファルトに雪が積もり、ぐちゃぐちゃに雪が変色した道路。変な色のライトに照らされ、
「ご休憩ご宿泊割引中♪」が表示された電光掲示板。普段は住宅地のど真ん中にあるせいで違和感しか放っていないラブホテル。
雪が光を反射してなぜか驚くほど美しく見えたのです。
「多分これがこんなに綺麗に見えることはもうないんじゃないか」
そんなことを思ったのを覚えています。
一緒にいた人は恋人ではありませんし、どちらかといえば自分の肉欲、性欲の赴くままにろくに飲めない酒の勢いで外に連れ出した人と見た光景でした。
でもその光景は綺麗で明るくてこんな未来が待ってるはずだと信じて疑わなかった。キラキラした素晴らしい出来事、そんなことが起こっていくと。
寒い寒いと肩をすぼめながら、歩く道は例によって泥だらけで靴はすぐにぐちゃぐちゃになりました。結局、そのホテルには入らず友人達のいるところに戻り朝になりました。
大人になることとは自分に期待しなくなること。そして人生の主人公が自分ではないと感じ始めること。なんて最近は考えています。
まだ自分への期待は捨てきれていませんがスッとさりげなく捨てられた時、あの時感じていた無条件に明るい未来のことは思い出せなくなるのでしょうか。
そしてその瞬間がまさに大人になるということなのかも。
まだ大人にはなれそうもありません。
タバコもやめられてません。
酒は相変わらず飲めません。
人を愛することもよくわかっていません。
部屋は汚いし、洗濯物は溜まっています。
あの景色をまだ覚えています。
爆発しそうな時には爆発を見ればいい。
何も考えたくない時。スカッとしたい時。とりあえず笑っときたい時。
私は映画"コマンドー"を見る。
あらすじ、娘を誘拐されたシュワちゃんがある国のトップを暗殺するように脅される。おれを敵に回したら地獄を見るぜと言わんばかりに、敵を皆殺しにする。以上。
シンプル。
シュワちゃんがムッキムキで、ロケットランチャーをぶっ放す。口をへの字に固めながらマシンガンで敵を一掃する。手榴弾で敵を吹っ飛ばす。
さらには敵を殺した後に気の利いたことを言う始末。
普段は字幕しか見ない人も、これは吹き替えがかなりとんでもないことになっているのでオススメ。
飛行機内、敵の首を捻って殺したシュワちゃん。CAさんに一言。「彼を起こさないように。死ぬほど疲れてるから。」キリッ。
岩場の崖に敵を追い詰めたシュワちゃん。「お前は最後に殺すと言ったな。あれは嘘だ」敵は崖から真っ逆さま。
爆破シーンで建物の前に立っている敵がもろ人形なのもニヤニヤポイントですね。
あまりにも都合よく進むストーリー。ハプニング要員の登場人物。必要以上の火薬量。
楽しい。コマンドー。
映画の食べログ
誰にも頼まれていないし、需要も全くないだろうけどコメディ洋画を食べ物に例えてみました。
今日はなんだか肉肉しいやつが食べたいなぁ。
腹が減ったし、ガツンと硬めの肉にかじり付こう!そんな時は
「1ポンドの赤身ステーキをBBQで!」
"PAIN&GAIN"
(邦題 ペインアンドゲイン史上最低の一攫千金)2013.
日本では劇場公開なしでDVDスルー。トランスフォーマーの監督マイケルベイがほんとにやりたかったことをやったという本作。「筋肉!ステロイド!アメリカン・ドリーム!」見終わったらもうお腹いっぱい。もうしばらく肉はいいや…。
小腹が空いたなぁ。すぐ食べれて、ちょっとだけお腹を満たしたいな。なんかおかし食べたいな。少しでガツンのやつ。
そんな時は
「プリングルスサワークリームオニオン味!(別名:緑筒激ウマ食料)」
どん。
"jackass the movie"(ジャッカスザムービー)
2002.
とにかくくだらなくていつ見るのをやめても全く問題なし。だけど意外と癖になる味。破滅的youtuberみたいな感じのオムニバス。ちょっと違うテイストのシリーズもでてるから味を比べてもいいかも。ローストチキン味とかね。
みんなでワイワイ。なんか出前取ろうか。ピザでいっか。でかいやつを2枚。
どん。
「やっぱこれだよな。シンプルなでっけぇピザ(2枚)」
1枚目
"National Lampoons Animal House"(アニマルハウス)1978.
2枚目
"The Blues Brothers"(ブルースブラザーズ)
1980.
アメリカのテレビ番組サタデーナイトライブをもとに作られた。いろんなコメディの元ネタがあったりしてクラシックな味わい。ずっと愛されてきたものはやっぱうまいねぇ。飽きない、そして誰が食べてもおいしい。音楽もノリノリ。名曲揃い。ペパロニ。
好きなやつ。
ベンスティラー系
「ミートザペアレンツ」
「トロピックサンダー史上最低の作戦」
「ズーランダー」
サイモンペッグ系
「ホットファズ俺たちスーパーポリスメン」
「宇宙人ポール」
「ミラクルニール」
「俺たちシリーズ」
「ブルースオールマイティ」
「ディックアンドジェーン」
サシャバロンコーエン系
「ディクテイター身元不明でニューヨーク」
「ブルーノ」
「ボラット栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習」
ベンスティラーは2.5枚目な面白さ。かっこいいキメ顔がキメすぎてな面白さがあると思う。サイモンペッグは困り顔and突き抜けたキャラの面白さ。ジムキャリーは笑顔を誘導する笑顔。サシャバロンコーエンはち○ち○見せちゃう面白さ。
締めのラーメンはやっぱ
"The Big Lebowski"(ビックリボウスキ)
1998.
何が面白いのかは全く説明できないけど面白い。カルトコメディ。やっぱ締めはコレだよね。
僕のワンダフルライフ
新宿ピカデリーにて鑑賞。
一緒に見る人の乗っていた電車が止まり、上映5分後に入場。
犬主観で物語が進む。
最初の飼い主の少年に会うために何度も生まれ変わって会いに行くというストーリー。
生まれ変わるたびに、犬種性別が変わり犬好きには楽しめる映画。
スクリーンに大きく映し出されるわんこ。なんかストーリーの荒さとかは気にならないぐらいにはかわいい。
泣きそうになる場面は何度かあったものの、泣かずに終了。
犬を実際に飼ったことがある人でなおかつ別れの苦しみを体感したことがある人は高確率で泣くでしょう。
泣くと冷静に見れなくなるから泣かないようにと耐えたら泣かずに最後まで見れました。
昔飼っていたミネチュアシュナウザーのオス、ネロを思い出した。ネロはドイツ語で黒という意味があり、子犬の時真っ黒だったことにちなんでつけられた。
ネロってフランダースの犬の犬でしょ!
って言われるけどそれはパトラッシュで少年の方がネロって説明たぶん50回はしたと思う。
ネロとは0歳から17歳ぐらいまで一緒に育った。小さい頃は自分は悪ガキで、毛をハサミで刈りまくったり、クレヨンで落書きしたり、背中に乗ったりして嫌がられて噛まれたりしていた。
家の中では1番慕ってくれていたようで妹には敵意をむき出しにして吠えるのに、自分には異常に腹を見せるやつだった。小さい頃からビビリな犬で猫には驚いて逃げるわ、雷には飛び上がるわでよく笑っていた。
高校生になったある日、老いたネロを見ているとものすごい勢いで庭の草を食べはじめた。
まさかその歳で野菜ダイエットか、とツッコミを入れながら「やめなよ草食べんの」と思いながらじっーと見つめると、普段ご飯タイムを邪魔した時にやる、グルルルゥと唸るやつで威嚇してきた。すぐに草には飽きたのか、食べなくなった。にわかベジタリアン犬。
3日間謎の家出をすることもあった。庭から消えて迷い犬のポスターを作るか話し合っていたら、普通に裏庭で寝ていた。おいっ。出掛けるならなんか言えよな!トラベラー犬。
散歩に行ったら歩くのが遅くなっていた。昔は自分より早く走ってリードが引きちぎれるぐらい引っ張ったのに。
顔のヒゲも白くなって仙人みたいな様子に。仙犬か。
よく親に隠れて裏庭でタバコを吸っていた時に、寄ってきた。静かにしろよ隠れてんだからと言いながらタバコに火をつけた。
「わかってるよ。いけないことなんだろ。」そんな風にこっちを見ながら、あいつは寝そべっていた気がする。
ベランダからは星がよく見えた。煙を吐き出しながら、ふとネロを見ると静かに眠っていた。
それからすぐにネロは深い眠りについた。5年以上前だが、寝てるあいつがいない実家の裏庭は少し物寂しい。
もう隠れてタバコ吸う必要もなくなった。周りにも家が増えて、家の周りもだいぶ変わってしまった。
裏庭には牛乳でヒゲがびちゃびちゃになったネロがまだいるような感覚がある。ひとり椅子に腰掛けて、煙を吐き出すと次の瞬間あいつは自分の横でぐーぐー寝ている。そんな風に感じる夜がある。
そして、そんな日はたいてい星が美しい。
ストレンジャーシングス2
ついに配信されたシーズン2。全9話
シーズン1での疑問はほとんど解決される。
まだ微妙には残っている。
2-5"Dig Dag"あたりから物語は加速度的に、スピーディに面白くなってくる。(2-8"Mind Flayer"超好き。役割分担で分かれた全員のエピソードが興味の持続感MAXで話が進む)
実際に"そいつら"と直接対決する準備は整った!→アクシデント的に整ってしまうという言い方のほうが正しいか。
場面ごとのスリリング展開、謎解き、アクションの頂点に達したところでシーズン2は終了。物語は比較的スッキリした感じで終了。
いやー楽しい。新キャラもコメディ面、シリアス面両方でビンビンに光ってるし、新しい伏線もわざとらしくない感じでいい。
お風呂でロマンス小説読んでたマイケルの母親がバスローブ姿で、シャツはだけたビリーを見る視線に思わず吹き出した。
怪物が怖くて、緊迫したシーンにこういうオフな笑いがあるのが飽きさせない工夫なんだろうな〜。
スティング、デビッドボウイ、ゴーストバスターズ、アタリ、ターミネーター1、ブレックファストクラブ、グーニーズ、エイリアン2などの80年代を感じさせる添え物もいい味出してます。
シーズン4で終わるという話だけど、40話くらいがちょうどいい。最初の2.3話はしょうがないけどどうやったってイントロは説明的にならざるを得ないし、(まあそれによって待ってました感は倍増するけども、これがシーズン8までやります!的なことになったら…ねぇ)実際には話が進んでいない状態は避けられない。
個人的に好きじゃなかったプリズンブレイクのスキュラのエピソードみたいにもったいぶられすぎるのはスリリングな要素が薄まる。
ラスボスはまだ残ってるんで、どうやって倒すのか、というか倒せるのか。
平行世界は今日もそこに存在している。かもね。